七尾市視察

1月1日の能登半島地震の状況を確認するために七尾市を訪れました。七尾市で今回の能登半島地震発生を受けて立ち上げた民間のボランティア団体「oneチーム七尾」の中山直史さん、西川英伸さんからお話を伺い、現地を案内していただきました。率直な印象として、4か月半経過しているのにまだこの状況なのか、というものでした。

話を聞いていると、市民(民間)はかなり素早い対応をしているが行政の支援がお粗末だ、という印象です。倒壊した建物の処理にしても、避難所の運営にしても、他自治体からの受援体制にしても十分ではないのでは、というのです。避難所運営にしては、現在はそれなりに落ち着いているようでしたが、開かれた当初は避難している市民やすでに運営を手伝っていた方々と遅れてきた行政の方との間でトラブルになったところもあったようなこともうかがいました。災害発生の時期的なこともあり、行政の体制が整うまでに時間がかかったのかもしれませんが、どうなのでしょうか。これらの写真は今日5月15日の現地の状況です。これを見ていただけると、市民の思うところは感じられると思います。

避難所は七尾市では現在5か所開設しているとのことでした。その中の1か所を視察させていただきました。市民体育館でした。見た状況ですが、段ボールで屋根付きの部屋を組み立てたプライベート空間を作っていました。この部屋は一人用で、中には段ボールベッドが入っているとのことです。また、床には畳組合から寄付していただいた畳が1500枚引いてありました。床から30㎝高いところで寝ることにより感染症を防ぐとこができるということもあり、畳や段ボールベッドにより感染症やひいては災害関連死が防げることはありがたいことです。今では水道も通っているので、トイレも通常に活用できていました。ここの避難所は、市の職員が管理しており、市からのお知らせも掲示してありました。

今日「oneチーム七尾」には神奈川県の「ユーティリティ・ソリューションズ」の中根圭介さんと栗田恵子さんが来ていました。この方々は、プールの水や川の水を浄化し、シャワーや洗濯用の水にできる機械を開発したとのことで、被災地で活用できないかと、その機械を持ってきていました。飲料水にまで浄化するというものではありませんが、シャワーや洗濯あるいはトイレに使える水だけでも水道が止まってしまうと大変貴重なものですので、特に発災直後は必要不可欠なものになると思います。

1月1日の能登半島地震では今回訪れた七尾市以上に輪島市や珠洲市は大きな被害があったことだと思います。その状況までは確認できませんでしたが、全国的にみるとこの能登半島(富山県や新潟県でも被害は少なくありませんでした)だけの局所的な被害だったように思います。2007年の発生した中越沖地震で被災した柏崎市に似たような状況かもしれません。その時の柏崎市は、7月16日に地震に襲われましたが、その1か月半の9月の第一土曜日頃には市内の中学校で体育祭を実施していました。その時には崩れていた家屋もほとんど処理が終わっていました。そういうことからすると、柏崎市の地震対応は素早かったと思います。

今日は七尾市を訪れましたが、輪島市や珠洲市はどうなのか心配です。ただ、七尾市では市民の方々が前を向き、仲間を思いやり、着実に進もうとしている雰囲気を感じました。きっと地震の前以上の発展を遂げていくことだと信じています。頑張ってほしいと思います。今日は私たちを受け入れてくださりありがとうございました。

投稿者: shigeno