市教育センター研修「発達障害の理解と支援」

今日は、標記の「発達障害の理解と支援~二次障害への対応と予防的支援~」をテーマに、関病院の阿部美紀(みのり)ドクターによる講座に参加しました。講座の対象は小中特別支援学校の先生方です。久しぶりの対面での講演でした。50名を超える先生方が参加していました。学校現場で必要性の高い内容だということが伺えます。阿部先生はご自身にも上が高校生からの3人の子どもがいることもあり、子どもの発達障害、多動やうつ、自傷、不登校など様々な事例を分かりやすく説明してくださいました。処方する薬とその効用についても紹介してくださいました。以下は印象に残っていることです。

  • 関病院では、基本的スタンスとして、相談者の困りごとの解決を最優先にしている。
  • 現時点で特別な支援を要する場合、学校卒業後に福祉サービスを利用する場合等は病名が必要。
  • 成長過程で病状は変化する。
  • 薬物治療は多動、衝動、不注意症状には有効である。コンサータ、ストラテラ、インチュニブ、ビバンセがある。コンサータ、ビバンセでは効果が高いが依存性もある。
  • 自閉スペクトラム症の治療には、リスパダール、エビリファイを使う。興奮、易刺激性、攻撃性等の鎮静化に有効。ただ、コミュニケーション障害やこだわり等の中核症状は薬物治療の標的ではない。
  • 児童思春期の受診パターンとしては、「多動・衝動・暴力・反抗反発・集団行動が困難で周囲が困る状態」「不安高うつ症状から登校渋り・不登校」「強迫症状」「不登校」「自傷行為・希死念慮の訴え」がある。
  • 関病院では「レスパイト入院」として、1週間程度の入院もできる。
  • 医療につなぐタイミングは、誰かが困ったと思ったら、そのタイミングでいい。
  • 自傷・他害行為は、学校で対応しすぎると、結果的に振り回されることになるかもしれない。
  • メディアのコントロールができていれば、必ず先に進むので、本人のペースを優先する。メディアの問題が大きい、依存が大きいと、周囲が期待するペースが大幅に遅くなる。その場合は入院を入れる。
  • 先生の困り感が強い場合は、先生の方針を変更する。多くの場合は目標や期待を下げると解決する。その後、本人や家族の困り感になる。期待や目標が高いと先生の方が困ることになる。
  • どんなケースが入院適応か。ひきこもり状態、家族関係もぎくしゃくしており孤立している場合、他人との関りがほとんどない場合、安全な場所での一時的休息が必要な場合、生活リズムを整える必要がある場合、など。

今、柏崎では不登校の子どもを持つ親の相談場所として「子どもの悩みを考える会~ハート・ファーム~」があります。悩みがあり相談したいというのであれば、10月1日(土)14時から、11月からは第2土曜日の14時から比角コミセンを会場に相談を行っています。無料ですので、気軽にお越しください。

投稿者: shigeno