市教育センター研修「人権教育、同和教育」

「差別」の反対語は「○○」。さて、この○○には何が入るでしょうか?

今日は柏崎市教育センター研修に参加させていただきました。テーマは「人権教育、同和教育」です。議員になる前に教員をしていましたので、教育センター研修には参加しやすいということではありますが、議員の活動をしていく上では学校の先生方がどんなことを学び、子どもたちに指導しているのかを理解しておくことは必要だと思いますので、毎年いくつかの講座に参加しています。

さて、最初の問題です。「差別」⇔「尊重(尊敬)」です。差別の反対語は決して「平等」や「公平」ではないのです。こういう例だとわかりやすいかもしれません。AはBを「差別」する。⇔AはBを「○○」する。この○○には「平等」や「公平」は入りませんよね。平等にすれば差別はなくなるのではないのでしょうか。今日の講座ではここから始まりました。印象に残っていることを以下に記します。

  • 新潟県における人権課題は13ある。「女性」「高齢者」「子ども・若者」「同和問題」「外国人」「新潟水俣病被害者」「感染症患者当」「北朝鮮による拉致被害者」「様々な人権問題(アイヌの人、在日韓国人など)」「性的指向・性自認を理由とする偏見や差別」「犯罪被害者やその家族」「刑を終えて出所した人等」。さらに、これらすべてにおいて関わるものとして「インターネットによる人権侵害」を独立させている。
  • 人権教育、同和教育は子どもたちに夢と希望を与える教育である。
  • 同和教育とは、「目的:部落差別をはじめとするあらゆる差別の解消」、「目標:偏見や差別をなくす意志と行動力をもった人間の育成」である。
  • 同和教育の「悪」は、生まれ育った故郷や住んでいるところで人の値打ちを決めつけること。同和教育は、日本固有の人権課題である。
  • 新潟県では「同和教育を中核にした人権教育を推進する」としている。中核にするとは、「同和教育の解決なくして、人権が真に尊重される社会は実現しない」から。
  • 柏崎市では人権に関する市民意識調査を平成28年7月に行っている。今年の7月にもアンケート調査を行い、人権教育・啓発推進計画を策定していく。
  • 柏崎に部落差別はあるのか?→柏崎では「同和地区」と指定された地区はない。だからといって「被差別部落」がないと結論付くわけではない。だって、柏崎市は昭和3年の司法省調査で、被差別部落民が684人(県内で3番目の多さ)いたことになっているので、現在も少数散在していると考えていいのではないか。
  • 同和問題の問題点は、「知らないこと」であり「知ったつもりになっていること」である。
  • 同和問題については、いわゆる「寝た子を起こすな」論をかざし、知らない人にあえて教える必要はないのではないか、とする人がいる。しかし、この考え方は大変危険なことであり、同和問題がなくならない原因の一つといえる。なぜなら、「知らなかったら、それに出会った時、知らず知らずのうちに差別する側に立ってしまうかもしれない」からである。今では簡単にインターネット上にある同和問題に関する情報(フェイクも含む)に接することができるので、そのときにどういう行動をとるかは知らないと課題の立場に立ってしまいかねない。
  • 「『無知』が差別の始まりである」。学ぶことが何より大事。

私たちの世代よりも若い人たちにとっては、普通に生活していれば、「同和問題」に接する機会はないかもしれません。・・・と思っているのは、柏崎に住んでいるからです。今でも全国にはこの同和問題に日常的に関わっている地区に住んでいる方もいます。将来、そういう地域に引っ越すかもしれません。いくつになっても、誰であっても、繰り返ししっかりと学ぶことは必要だと思います。実は、私にとって今日の研修は初めての内容ではなく、今までも何回か学んでいたことです。しかし、大変勉強になりました。刺激的でした。ありがとうございました。

投稿者: shigeno