フランスのANCCLI(アンクリ)が柏崎を訪問

アンクリとはフランス国内すべての原子力施設立地地域に設置が義務付けられている地域情報委員会(これをCLI(クリ)といいます)を取りまとめる組織である全国原子力地方情報委員会連合のことです。現在フランスでは23の地域に原子力発電所があり、合計で58基が運転中です。それ以外にも原子力施設があるため、現在では全国で35の「クリ」があり、それをまとめる組織として「アンクリ」がある、ということです。日本でも同じような地域組織はあります。柏崎刈羽でも「地域の会」として原発賛成・反対に関わらず活動状況を確認・監視し、提言を行っています。しかし、日本ではこのような原子力施設立地地域にある「地域の会」を全国規模で取りまとめるような組織はありません。また、フランスのこの「アンクリ」は法的根拠に基づいて組織化されており、政府との意見交換会も行っています。

今回、アンクリの方々は25人で来日し、福島や女川の原子力発電所を視察していました。その視察を終えて来日した中の会長を含めた4人が柏崎市に訪問してくださいました。昨年桜井市長がフランス視察の時に意見交換したメンバーとのことです。

フランスと日本ではエネルギー事情を含め違いがたくさんあるので、すべてをそのまま比較することはできません。しかし、世界中にある原子力発電所とその立地自治体は原子力発電所とともにまちづくりをし、生活を営んでいきます。当然のことながら安全であることは大前提になります。今日の意見交換でも、原子力発電所との共生について語られました。きっとフランスでも日本同様に稼働に反対している活動家もいることでしょう。私は実際こういう方がいないのは健全な社会、国とは言えないと考えています。日本をはじめチェルノブイリやスリーマイル島など世界でも原子力の事故は起こっており、それによる健康被害や生活の土台まで崩された住民もいます。原子力と人類は共存できないとまで言う方もいます。いろいろな意見があり、その表現も保障され、しっかりと議論できる環境があることが大切だと思うのです。そうでないと独裁になり、自由もなくなっていくことになると考えてしまいます。

それはそうと、現在、柏崎刈羽ではまさに原子力発電所の再稼働が大きな話題になっています。賛成するのも反対するのもそれはそれぞれの考え方ですからいいのですが、原子力発電所がある自治体として、どうまちづくりをしていくか、どう経済を発展させていくか、という議論は全員で同じ方向を向いて行うことができるテーマです。原子力発電所に反対だからまちづくりもあったものではない、などという人はいないと思います。だってここには原子力発電所があることが事実なのですから。議会だけでなく、多くの市民とまちづくり、柏崎の活性化の方策について一緒に考えていけるといいと思います。

投稿者: shigeno