文教厚生委員会・分科会

2月定例会議、令和5年度予算の審査のための文教厚生分科会がありました。この4年間の任期最後の委員会・分科会でした。13日は子ども未来部と福祉保健部の所管部分で、今日は教育委員会所管部分の審査でした。その後、委員会としての採決、分科会としての意見集約を行いました。

この新年度予算審査の文教厚生分科会としての分科会長報告をつくらなければなりません。各部に対して行った総括的質疑とその答弁、各種事業における質疑と答弁、そして全体を通しての意見集約のまとめです。かなりの量になりましたが、その一部を以下に記します。

「福祉保健部」関係では、

総括的質疑として

〇「2023年度予算において、人口減少少子高齢化、感染症防止策をどう考え編成したか」「これまでの3年間の新型コロナウイルス感染症対策における総括と2023年度の展望」「人材確保、スキルアップなどさらに福祉環境の整備が進んでいく予算編成になっているか」を質疑し、→「人口減少、少子高齢化、各事業の対象者の増減・利用実績・実態・動向を踏まえる一方で、市町村に義務付けられている法定事業が多い中で、サービスを必要とする方が必要とするときに、必要なサービスを速やかに提供していくためにある程度の余裕をもった予算編成が必要となる」「3年間は新型コロナウイルス感染症対策に時間、人員を割いてきた。現在進行形であり全体総括にはまだ時間がかかる」「医療・介護・障害福祉の各分野で、人材を必要としている法人・事業所自身がいかに人材確保に取り組むかが重要である。市ができることはその取り組みに対しての支援に限られる。支援策が有効に活用いただけるように取り組んでいく」旨の答弁がありました。

各事業への質疑として

●「軽・中等度難聴者補聴器購入助成事業」について「事業の詳細」を質疑し、→「障害者手帳を持たない方を対象に、補聴器購入時に非課税世帯・生活保護受給者世帯については上限5万円とするが、購入の額を、それ以外の世帯では上限2万5000円として購入費の2分の1を助成する」との答弁が、

●「シルバー人材センター経費」について「ふれ愛乗りタクシーの状況」「会員数確保や事業展開の状況」を質疑し、→「ふれ愛乗りタクシーの実証事業は令和4年度をもって終了。事業者連携の枠組みはできたので地域の支え合い活動に活かしていく」「シルバー人材センターへの登録者は令和5年2月末の段階で1223人、60歳以上人口に占める割合は3.7%で大変高い。高齢者の生活の安定と生きがいの創出のための事業を進めていく」との答弁が、

●「ひきこもり支援事業」について「令和4年度の実績を踏まえた令和5年度の展望」を質疑し、→「開設以来97名の支援を行っている。そのうち終結したものが35件ある。令和4年1月に実態調査をしたところ、市内には120人くらいの該当者がいることがわかった。支援に結びついていない方が少なくない現状であるが、SOSを出した時にすぐに支援に結び付けられるように、医療関係者など協力者に周知している。8050問題は増加している。現在17件が該当すると考えている。今後も人生をコーディネートしていく視点をもって対応する」との答弁が、

●「がん患者医療用補正具購入助成事業」について「事業創設の経緯」「事業の詳細」を質疑し、→「アピアランスケアという言葉を耳にするようになってきた。医療用ウィッグや乳房補整具の購入費の2分の1、上限2万円を助成し、患者の社会参加の促進を支援していきたい。見込み数は60人」との答弁がありました。

「子ども未来部」関係では、

総括的質疑として

〇「社会の縮小や税収入の減少等が2023年度予算の編成や執行に及ぼす影響」「市民ニーズに適切に応えられる人材確保がなされているか」「子どもの貧困対策の事業化に向けた進捗状況」「子育て短期支援事業の見通し状況」「10月からの1・2歳児の保育料無料化の展望と課題および公平性」「保育料無料化のための子ども未来部内での財源の捻出とそれによる事業への影響」を質疑し、→「本市における人口減少・少子高齢化は全庁をあげて取り組むべき最重要課題であり、危機感の共有と可能性への挑戦を実践する上で、1・2歳児の給食費を除く保育料無料化の導入によって、子育て世帯への支援を大きく一歩踏み出す。この実現のため各種事業の過去の執行率や対象者に基づき、予定対象者数の見直し、実績による削減・廃止など事務事業の細かな見直しを行い、サービスを下げることなく経常費ベースで令和4(2022)年度比約4,500万円の予算を減額した。この10月からの1・2歳児の保育料無料化については、預かり保育や認可外保育施設などを利用する1・2歳児の保育料の無料化は行わない。未就園児を含めてそれぞれの家庭の事情に対応した子育て支援策を継続して実施していく。1・2歳児の保育料無料化を令和6年度以降も継続的に実施していくために、全庁的に予算の見直しを行っていく」「子どもの貧困に関する調査として昨年11月に生活状況調査を実施した。子ども70.3%、保護者70.8%の回答を得て現在クロス集計中で、今後分析結果を取りまとめ報告書を作成し、6月定例会議で報告する」「子育て短期支援事業はその再開に向け、国の動向を注視し検討していく」旨の答弁がありました。

各事業への質疑として

●「子育て支援事業」の「子育て応援券事業」について「電子化をどう進めるか」を質疑し、→「関係部署と連携して情報収集を行い、機能要件等を決定した上で、プロポーザル方式による業者選定を行う予定で補正予算に計上する。電子化にあたって、事業者に費用を求めることや難しいい決済方法を覚えてもらう等負担を強いることがないことを選定要件の一つとする」との答弁が、

●「放課後児童健全育成事業」について「令和5年度における人材確保及び多様な児童への対応」を質疑し、→「各児童クラブの利用者数に応じた職員配置しており、児童20人に対して概ね職員1名を配置している。人材確保は常に課題になっており、苦慮している。国の交付金を活用するなど受託者の経営改善や人件費としての給料アップなど処遇改善に取り組んでいる。多様な児童への対応は、子どもの発達支援課と連携し発達支援に関する研修や個別のケース検討で対応を検討して取り組んでいる」との答弁が、

●「結婚活動応援事業」について「令和4年度の実績を踏まえた令和5年度の事業の展望」を質疑し、→「令和4年度はSNSを利用した活動を行ったが、評価検討の結果、令和5年度は行わないこととした。令和5年度は婚活イベントや婚活相談会を充実させていく。また、ハートマッチ新潟への登録助成を開始する」との答弁が、

●「適応指導教室推進事業」の「ふれあいルーム推進事業」について「不登校児童生徒の窓口としての令和5年度の展望」を質疑し、→「令和4(2022)年度3月1日現在、不登校は小学生28人、中学生75人の計103人で、コロナ禍の影響もあり増加傾向。当事者同士の情報交換・共感し合える場や機会、アウトリーチ支援のより充実を進めたい」との答弁が、

「教育委員会」関係では、

総括的質疑として

〇「これまでの3年間の新型コロナウイルス感染症対策の総括と2023年度の展望」「人材育成・確保の視点から強調したところ」「施政方針における「今求められている学力」とは何か、それと学力レベル向上との関連」「施政方針における「幼児期のスポーツ体験・能力測定の充実」について、その現状と具体的取り組み」を質疑し、→「新型コロナ感染症拡大防止については、柏崎市独自のガイドラインによって場面場面の対応を定めて、すべての学校で同じ危機意識を共有してきた。体育施設・文化施設において、令和5(2023)年度は適時適切に判断し、スポーツ面・文化面で確固たるまちの復活につなげていきたい」「学校教育はまさに人材育成の場。知徳体のバランスの取れた教育を行っていく。教師が子どもたち一人一人に寄り添った教育活動を行うために、令和5年度は児童数300人以上の小学校4校にスクールサポートスタッフを配置する。中学校の部活動の外部指導者は公認指導者制度を確立していく」「学校教育の最重要課題は小中学校における学力向上プロジェクトの2年目の取り組みを強化・充実させることである。外部講師を招いた教員向けの研修会を継続的に実施し教員の指導力向上を図る。教育委員会と各学校の連携をさらに図っていく」「今求められている学力は、学習指導要領にある資質・能力である。子どもが主体の多様な学び、一人一人に応じた学び、他者と力を合わせるリアルな学びを実現するべく、指導法の改善やICTの利活用を進める」「文部科学省の幼児期運動指針において、少子化や生活様式の変化等を要因として、身体を動かし遊ぶ機会の減少がその後の資質や能力の育成を阻害するとある。心の発達にも重大な影響を及ぼしかねないと述べており、市として懸念している。スポーツに親しむイベントや体力測定イベントを新潟大学と連携してより充実させ実施していく」との答弁がありました。

各事業への質疑として

●「教育支援事業」の「スクールサポートスタッフ配置事業」について「新事業の詳細」を質疑し、→「学習プリント等の印刷、授業準備の補助、採点の補助の業務を行い、勤務は1日4時間で、配置校は児童数の多い小学校から4校柏崎小、比角小、剣野小、田尻小を選んだ」との答弁が、

●「情報機器管理事業」の「情報機器管理費」について「GIGAスクール構想の環境整備」を質疑し、→「ICT支援員を2人から3人に増員する。授業、校務に支障のないように環境整備を進めていく。令和4年度のタブレット活用は、市内31校の調査で、ほぼ毎日授業でタブレットを活用している学校が81%であり、活用が進んでいる。令和5年度は児童生徒が家庭学習でもタブレットが活用できるように進めていく」との答弁が、

●「旧ふるさと人物館費」の「旧ふるさと人物館解体事業」について「解体工事の時期と解体後の展望」を質疑し、→「解体工事は令和5年5月に入札し、決定したのち令和6年3月までの予定で解体する。工期は9か月間の予定。解体後は都市整備部の補助金を活用することになっており、広場にする計画である。災害時にも使えるかまどベンチなども設置する予定」との答弁が、

●「指導者養成団体育成事業」の「スポーツ事業支援経費」について「中学校部活動の地域移行の展望」「各種マラソンへの負担金増額の理由」を質疑し、→「令和8年度から休日の学校部活動は全て地域に移行することとして準備を進め、令和7年度末までを試行期間と位置づけ、学校管理体制のもと指導者を市スポーツ協会加盟団体から派遣する。令和5年度は軟式野球、ソフトテニスに加え、陸上競技、バスケットボール、バレーボール、剣道で指導員29名の派遣を予定している。指導者の資質向上、および安心して指導を受けることができるように、市スポーツ協会と連携した公認指導者制度を令和5年度からスタートさせる」「市内で開催している2つのマラソン大会は現状では運営が難しい状況である。これらの大会の継続開催が地域スポーツの振興や経済波及効果としても大きなものがあると考える。人口減少、元気がなくなっている地域を元気に明るくしてもらえることを期待し、増額するもの。今後の運営や状況により補助金の減額も考えている」との答弁がありました。

「分科会としての意見集約」です。分科会では「子どもを取り巻く環境の充実に資する予算編成であるか」を論点とし、審査に臨み、以下の9点の事業について個別に意見を出しました。

  • 保育事業としての令和5年10月からの1・2歳児の保育料無料化について、0歳児も無料化の対象にすべきである、認可外は対象外となっているが社会全体として子育てをしようとしていることから公平性の面からも対象とすべきではないか。
  • 子どもの医療費助成事業について、高校生までは入院通院も無料化したことは評価できるが、段階的でも完全無料化に向けて検討が必要である。
  • 新型コロナ感染症対策については、今後も国や県の動向を注視し、感染拡大防止に努めてほしい。
  • 学校施設管理事業について、学校のトイレの洋式化は学校間格差が生じていることや地域民からの要望があることからも進めるべき。また、給湯器やエアコン設置も急務である。
  • 学校給食に関して、無償化は子育て支援を進めようとしている本市にとってはこの視点も必要なのではないか。
  • 放課後児童健全育成事業について、多様な児童生徒が増えていることから、子ども及び指導者が安全に児童クラブの運営ができるようにしてほしい。
  • スクールサポートスタッフの配置事業は評価できる。学校における教職員の働き方改革等において、今後の推移を見守りたい。併せて介助員や指導補助員の人材確保も一層進めてほしい。
  • 中学校の部活動の地域移行について、指導者の指導力によって子どもの能力の発揮開花が図られるものであるので、指導力の向上に努めてほしい
  • 綾子舞に関することについて、後継者の育成が急務である、ユネスコに登録された現在であり、準備を進めなければならない。

この報告をまとめることが正副委員長の仕事の一つですが、毎回のこと、かなり大変なのです。2月の新年度予算、9月の決算の審査は、審査自体が2日間にかけて行われますので、そのまとめにはそれなりの時間がかかります。愚痴っぽくなってしまいましたが、正副委員長を経験することのより、議会としての在り方も見え方が違ってくるものだと思っています。いずれにしても、委員の方々が適切な質疑、意見を出してくださることで委員会が回っています。この2年間の委員会活動も今日で終わりますが、委員の皆様のは大変感謝しています。お世話になりました。

投稿者: shigeno