一般質問1日目

今日から一般質問が始まりました。今回は17人の議員からの質問が行われます。

今日は私を含め6人の議員から、「DX推進の次なる一歩」「少子・超高齢社会を見据えた人材確保」「「脱炭素のまち・柏崎市」実現に向けた戦略と取り組み」「柏崎市の危機意識と将来への可能性」「少子化に伴う人材育成への課題」「的を絞った柏崎市観光ビジョンについて」「自転車保険義務化の対応」「人口減少対策への取組」「地域おこし協力隊の決同」「原子力政策の大転換と地域との共生」「2035脱炭素社会の実現に向けた挑戦」「GIGAスクール構想の課題」について質問がありました。

私は、「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」に基づいた取り組み」「全国学力調査の結果から見える柏崎市の児童生徒の学力実態」「保育園等の通園バス」について質問しました。今回の質問のメインは障害者情報アクセシビリティ法に関するものでしたから、その部分の答弁をいかに記します。

①情報アクセシビリティとして、柏崎市における障害者の情報取得及び利用の現状把握と課題認識をお聞かせください。

→障害があることにより、特に情報格差があるのは視覚障害や聴覚障害がある方だと考えている。視覚障害のある方は手で触れることにより、物の形状や点字を判別したり、文字を音声に変換するアプリなどにより必要な情報を取得している。聴覚障害がある方は音声を文字に変換するツールや生活の中から生み出されてきた言語、手話言語、指文字、筆談等で情報を取得している。障害の特性によって情報を取得する手段はいろいろあるが、現状ではすべての情報を点字や手話で提供することは困難であり、障害がない人と同じ内容の情報が十分に得られていない状況にあると認識している。障害がある方が情報を取得しやすくなる工夫や取り組みが必要と考えている。

②コミュニケーションとして、柏崎市における障害者の意思疎通の現状と課題認識をお聞かせください。

→私たちが日常生活を送るうえで欠かせないのがコミュニケーション・意思疎通である。普段私たちは気持ちや思いを相手に伝えるための言葉を使って、会話を行うことによりコミュニケーションを取っている。聴覚に障害がある方のコミュニケーション手段として手話言語や筆談等があるが、ろう者の中には日本語の読み書きが苦手な方もいるため、筆談だけでは細かいニュアンスが伝わらない場合があり、手話言語は有効なコミュニケーション手段と認識している。手話でのコミュニケーションには手話通訳が必要となる。通訳を行うには都道府県が実施している通訳者の研修を受講し、通訳者資格を取得する必要があるが、手話通訳技術の取得の難しさと資格取得までに長い期間を必要とするため、全国的に手話通訳者の育成が課題になっている。

③条文に記してある地方公共団体の責務や基本的施策とこれまでの2つの質問を合わせ、柏崎市としての「障害者情報アクセシビリティ、コミュニケーション施策推進法」の受け止めをお聞かせください。

→この法律が成立した背景には、現在障害のある方に情報格差が生じている現実があると認識している。法律の理念として、障害の特性によって情報取得の手段を選べるようにすることで、障害のない人と同じように情報を得ることができ、全ての障害者が社会を構成する一員として、あらゆる分野の活動に参加する共生社会の実現を目指しているものと受け止めている。第5次柏崎市障害者計画等に掲げる基本理念「互いに人格と個性を尊重しともに暮らすまち柏崎」に通じている。情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策の推進は重要であり、本市においても障害者による情報の取得、利用、意思疎通に係る施策推進を図っていく。

④これまでの障害者の情報アクセシビリティつまり情報取得や利用、およびコミュニケーションつまり意思疎通に関して柏崎市として行ってきたことを伺います。あわせて、この法律を受けてさらに拡充させていこうとしていることをお聞かせください。

→第5次柏崎市障害者計画等に掲げる基本理念に基づいた具体的な取り組み、今後の施策の方向性について答える。本市には現在、身体障害者手帳の交付を受けている方のうちメガネや補聴器などを使用しても情報を入手するのが困難な重度の視覚障害の方が50人、重度の聴覚障害の方が64人いる。情報アクセシビリティに関しては、市ではボランティア団体に協力をいただき、広報かしわざきや議会のとびらの点字版を昭和45年1970年から、音読版広報は昭和60年1985年から作成し希望される視覚障害のある方に配布しているほか、ホームページも平成15年2003年から音声読み上げ機能を有するものとなっており、掲載されている情報を音声で聞くことができるようになっている。聴覚障害がある方を含め、平成16年2004年から防災行政無線の放送内容を、防災ファックスやメールで受信できるようになっており、令和3年2021年からはラインのお知らせ通知などにより文字で情報を取得できるようになっている。このほか昨年度は新型コロナワクチン接種券送付に関し、ボランティア団体に協力いただき、視覚障害の方むけに音読CDを作成し配布、聴覚障害のある方むけに接種予約と手話通訳や要約筆記の派遣依頼を同時にファックスで行えるよう周知を行った。ご高齢のろう者に関しては、柏崎市ろうあ協会に協力いただき、手話通訳を派遣しワクチン接種に関する説明会を実施した。コミュニケーション施策に関してはファックスや日常生活で必要となる様々な情報通信機器の給付を行っているほか、聴覚に障害がある方のコミュニケーション手段として、手話通訳は平成11年1999年から、要約筆記は平成15年2003年から派遣を行っている。通訳の派遣は、令和3年度2021年度の手話通訳は、新型コロナウイルスワクチン接種案件を含めのべ127回、今年度も既に87回の通訳派遣を行っている。要約筆記に関しては、医療機関への受診など、年間20回から30回の派遣を行っている。福祉課には、手話通訳ができる非常勤職員を平成12年2000年から配置しており、窓口での相談や手続き、手話通訳の派遣調整を行ってきた。本市におきましても障害がある方が十分な情報を取得し利用するための様々な施策を実施してきた。まだまだ情報の取得やコミュニケーションに苦労されている部分も多々生じていると認識している。やってきているつもりですが100%ではないと承知している。今後はIT技術を搭載した新たな用具として、メガネフレームに搭載した小型カメラがとらえた文字を耳元のスピーカーから音声で聞くことができるAI視覚支援デバイスなどの給付を検討している。手話や要約筆記、点訳、音訳の人材確保と育成のための施策を推進し、障害のない方と同じ内容の情報を得ることができ、様々な手段やツールを活用しコミュニケーションが円滑に行えるよう、障害のある方の立場に立った取り組みを進めていく。

⑤ろう者の皆様にとっての生活様式やその困り感、そして手話言語条例の制定に託す思いなどについて、柏崎市としての受け止めをお聞かせください。

→ろう者と手話言語条例の制定について。これまでも市議会においては、手話言語法や手話言語条例制定に関する意見陳情や要望書請願書として、柏崎市ろうあ者福祉協会から提出されており、ろうあ者の皆様の手話言語条例の制定に託す思いは十分承知している。令和2年2020年飯塚議員の一般質問へ答弁したように、手話言語条例の制定に関しては理念条例であるため議員発案で行われることが望ましいと考える。議員発案による条例制定が望ましいと前から答弁しているところ。市議会、行政協力して、障害のある方もない方も、分け隔てなく理解し合い、お互いに人格と個人を尊重し、ともに暮らせる地域共生社会の実現を目指していく。

⑥ろう者が社会参加していくことに対し、ご本人や家族の方々が困難に感じていることへの対応を伺います。今ほどの話から、あらかじめ説明してあるとしても、制度を利用するまでに相当の時間の経過がある場合もありますので、それらの周知の仕方を含め、これから話す3点それぞれについて柏崎市の現在の取り組みと今後の方向性等についてお聞かせください。具体的場面として3点あげます。1点目、選挙のときの「投票所の表示、案内」について。2点目、「自動車の運転免許取得時と高校卒業以降の補聴器購入の際の補助制度」について。そして、3点目、「新成人フェスティバルへの参加の在り方」についてです。

→ろう者が社会参画していく際に本人や家族が困難を感じていることに対しての対応、今後の方向性について答える。投票所に関して、ろう者が不便を感じた事案があった、申し訳けありませんでした。選挙管理委員会事務局に確認したところ、現在期日前投票所や選挙当日の各投票所においては、有権者が一目でわかるように受付係、名簿対象係、投票用紙交付台、記載台、投票箱の案内表示をするとともに。投票所内の動線を逆流することのないようにスタッフが目配りしている。もし不安や不都合が発生した場合もあるかもしれませんので、今後の選挙においては、期日前投票所を含めすべての投票所入り口に、「お困りごとがあれば気軽に知らせてください」などの表示を新たに設けさせていただく。困っている方がいたら積極的に声をかけていくなど、基本的対応を徹底するなど、全ての有権者が安心して投票できる環境づくりに努めていく。

自動車運転免許取得費用や高校卒業以降の補聴器購入費用の助成制度の周知について。障害者手帳交付時には利用可能な助成制度をまとめたガイドブックを配布し、ホームページでも周知している。長岡聾学校に在籍している生徒保護者の把握は、残念ながらできていない。そのため、聾学校卒業時に改めて各種助成制度の案内は今まで行っていなかったが、今年度から長岡聾学校に協力いただき、学校を通じて柏崎市内在住の生徒保護者に周知していただくことになった。障害者手帳をもっていない難聴者に対しても、新たに補聴器購入助成制度を検討している。周知については、今後も適切なタイミングで支援制度の利用がいただけるよう、周知方法の見直しを図っていく。

20歳の集いの参加の在り方について。教育委員会に確認したところ、案内状は柏崎市内に住民票を有する者のうち開催される年度に21歳を迎える方に送付している。市外在住者には、案内状送付の申し込みが必要であることを市ホームページや広報かしわざきに掲載周知し、申し込みをいただき、送付している。対象者に対してはもれなく案内している。案内状には、参加者が安心して参加できるよう、必要な方は付き添いの方も同伴できることを記載している。参加申し込みの段階で身体に障害があるかどうかを確認できないことから、聴覚に障害がある方の参加の様子や感想はまとめていない。式典内では手話通訳や要約筆記を実施している。聴覚に障害がある方、ろう者の参加に関しても申し込みの段階ではわからない。今後は案内状に送付元が確認できる点字シールを貼り付けるなどの取り組みも全庁的に検討していく。若者の前途ある未来への門出を市民あげて祝福するとともに、故郷柏崎への愛着や誇りを醸成する機会として、今後も継続して聴覚に障害がある方が参加しやすい式典を開催していく。いずれの障害であっても、障害がある方が必要な情報を入手でき、情報を活用して生活し、社会参加や地域貢献活動が円滑に行えるよう、今後も障害のある方に寄り添い、ともに支え合う共生社会を目指していく。

長くなってしまいました。市としては障害者アクセシビリティ法をしっかりと受け止めていると感じました。また、ろう者や難聴者に対する取組もこれまで以上に進めるように感じました。

投稿者: shigeno