福島第一第二原子力発電所視察

昨日今日と福島第一第二原子力発電所の視察に行ってきました。昨日は福島第一を視察しました。福島第一原発はこの柏崎市議会原発特別委員会として数年前に訪れています。福島第一はご存じの通り東日本大震災により1・3・4号機が水素爆発してしまい、全号機(1~6号機)が廃炉に向けた取り組みを行っています。ここ数年間で放射線量が少なくなってきており、原発を一望できるところ、直線距離で100mくらいでしょうか、までは通常の服装で行けました。しかし、まだ1号機は当時のままの状態がそのまま見えました。現在は2号機のデブリを取り除くための取り組みを行っていますが、1・3号機のそれにはまだ手が付けられない状況のようです。また、現在はアルプス処理水の海洋放出について大きな話題になっています。あくまで処理した水であり、汚染水ではありません。どうもこれが混在して国民に伝わっているところもあるのかもしれません。以下所感です。

廃炉作業を進めているとはいえ、その進捗は劇的なものではなかったように感じましたが、そうとはいえ、着実なものでありました。前回視察に来たときに比べ、着用する装備も減り、徐々でしょうが放射線の封じ込めは功を奏しているように思いました。現在はアルプス処理水の海洋放出が話題になっており、敷地内にある処理水をためたタンクの多さを自分の目で見たとき、これは尋常ではないことが分かりました。原発事故復旧に対しての技術は日進月歩でしょうが、すべての解決にはまだ見通しすら立たない状況です。安全と安心は違い、技術や数値により安全は確認できていても、安心だと思えるかどうかはその人それぞれ違ってきます。数値を示すだけで安心を確保したことにはならないということはこの原子力関係だけではなく、通常の日常生活においても言えることではないかと感じました。

今日はまず、水素エネルギー研究フィールドを視察しました。自ら水素を取り出して、それをエネルギーとして活用していこうとしている研究施設です。実際に取り出した水素をためておくタンクや運搬に使う車なども見ましたが、商業化していくにはまだ多くのハードルがあるようです。しかもかなり高い。しかし、着実に新しいエネルギーがここで開発されていることは伝わりました。柏崎市でもブルー水素の製造などに取り組み始まています。以下所感です。

水を電気分解して水素と酸素にし、その水素をエネルギーとして活用していくための実験としての設備の視察でした。理論的なことはそれなりに理解はできましたが、それを実際に商業化していくにはいくつかの段階が必要のようです。そしてそのハードルも決して低くないように感じました。ただ、未来のエネルギーがここで開発されていることが確かで、日本のエネルギーに確実な光がさしているという実感もありました。現に水素自動車も開発されていることですし、これから加速度的な広がりを期待するところです。また、柏崎市でもブルー水素製造への取り組みの実証実験も進められています。そのこととあわせ、次世代エネルギーとしての水素利活用の最前線を感じることができました。

その後、福島第二原発に行きました。ここもすべての号機を廃炉に向けて作業に取り組んでいます。実際の現場を見ることはできませんでしたが、どのように進めているのか、今後の展望を含めて説明を受けました。柏崎刈羽原発も廃炉に向けた取り組みをそう遠くない未来に始めることになります。同じ敷地内に稼働中の原発もあれば廃炉作業をしているところもある、という様子になると思います。特に、廃炉に向けての仕事をどれだけ地元に回せるのか、地元の活性化につなげていけるのかを確認したいと思います。以下所感です。

実際の現場を視察することはかないませんでしたが、事故によらない原子力発電所の廃炉に向けた取り組みの実際を感じることができました。解体に1基700億円、一日の構内での作業者が700人。この数値がどうなのかの判断はつきませんが、廃炉作業を進める中で、地元企業へ仕事が回り、そのことによる地元の活性化にどれだけ寄与できるかが課題であると思いました。柏崎刈羽原子力発電所でもこの廃炉に向けた取り組みがそう遠くない未来に訪れると思います。稼働しているものと廃炉作業を進めているものが同じ敷地内であることも見方を変えれば利点にもなることとして受け止められます。併せて、再利用できるものの活用などが適切に行えるのかを柏崎でも確認していきたいと思います。

2日間にわたった原発関連の視察でした。先月10月21日の柏崎刈羽原発の視察、10月27日28日の原発サミット、そして今回の福島原発視察と原発関係の視察等が続きました。そして11月11日には新潟県が行っている3つの検証委員会の説明会があります。柏崎市にとって、原発は切り離せない大きなものです。肯定的、否定的な考えが様々あることも事実です。また、科学技術の進歩により見えてきたものも少なくありません。これらをしっかりと学び、適切に判断できるようにしていきたいと思います。

投稿者: shigeno