一般質問2日目

今日は一般質問2日目でした。私以外の5人の議員から、「デジタル社会の心がけ」「子どものたくましさを育む」「柏崎市地域防災計画」「柏崎市要配慮者避難支援全体計画」「柏刈原発30㎞県内避難準備区域議員研究会」「生涯スポーツの推進と学校開放事業」「学校における男女の扱い」「男女ともに産み育てやすい環境整備を目指して」「住み続けられるまちづくり」「ウッドショックから考えさせられた日本の自給率」「新型コロナウイルス感染症による価値観の変化と対応」「野良猫の不妊手術の県女性の周知」「農機具や建機の盗難対策」「米山プリンセスの収穫体験」などについての質問がありました。

私の質問は「SDGs」と「中学校の部活動」をテーマとしたものでした。以下にSDGsについて、今日の答弁を聞いた中での所感を記してみます。

「SDGsの推進」については、現在策定中の第5次総合計画後期基本計画において、「分野横断的視点」に「DXへの対応」とともに掲げているものです。第5次総合計画前期基本計画で示された人口推計から見た現在の柏崎市の人口はその最下限よりも下の数値です。つまり、前期基本計画で示された施策や取り組みは人口減少抑制においては適切ではなかったと評価されます。ですから後期基本計画では大幅な軌道修正をする必要があると思いました。かといって第5次総合計画の中間点という立ち位置からすべてを根本から修正するというわけにもいかないのも承知しています。そのことからこれまでの視点としてこなかった「SDGsについての視点で施策や事業を見直していこう」ということで、「分野横断的視点」に掲げたのではないかと思ったのです。これまでも「SDGsの推進」を進めてきており、「SDGs日本モデル宣言賛同自治体」にもなっている柏崎市ですから、これからの各種計画等においてはSDGsの視点がその中核を占めるのではないかと考えました。ですから今回の一般質問で、このSDGsの推進を後押ししていけるようにと考えたのです。

ところが、私が考えていたものと市の方向性は異なっていたようです。SDGsを推進していくとはいえ、以下のような答弁でした。

  • 「SDGsに取り組むことが柏崎市の生存戦略ととらえることへの見解」 ⇒ 一番の大きな指標としてとらえているわけではない。SDGsやESGなどの指標や観点は重要なものであるが、大切なのは第5次総合計画であり、それを着実に実行していくこと、その過程においてSDGsの指標を取り入れて推進していくべきものと考える。そういう視点から後期基本計画では主要施策ごとに17の目標との関連付けを行い、関連付けられるものは関連付け、本市の計画実行が持続可能な社会の実現に寄与していくことを示していく。
  • 「SDGsの理念の浸透やさらなる発展に向けての今後の取り組み方針についての見解」 ⇒ SDGsとの関連付けにより、各施策が持続可能な社会の実現に寄与する取り組みであることの可視化を行う。SDGsによるまちづくりを推進するということではなく、あくまで総合計画に基づく本市のまちづくりがSDGsの目指す方向と一致しているということを示していくということである。
  • 「第5次総合計画後期基本計画にSDGsの視点を取り入れた理由」 ⇒ SDGsの考え方は2015年に国連サミットで位置付けられた。国としても国連のもとでSDGsの観点を大切にしている方向性、所管の外務省から始まって全ての省庁に対してSDGsの観点をもとにしたものをということが国の方向であるから、柏崎市としても総合計画にSDGsの観点を位置付けた。
  • 「「SDGs未来都市」選定についての見解」 ⇒ 選定に向けた取り組みは行っていない。考えていない。各分野の課題解決や新しい価値創造が図られる点については庁内における分野横断的な考え方を高度化させる手段となりうると考える。後期基本計画においては施策とSDGsを関連付け計画全体を見渡した時様々な施策が分野横断的な取り組みであることの見える化が図られる。大切なのは後期基本計画の着実な実行であり、SDGsはまちづくりにおける様々な指標の一つである。SDGsの指標だけが一番大切なもの唯一のものではなく、ワンオブゼンである。大切な指標であるがワンオブゼンである。SDGsの考え方を否定しているわけではなく尊重している。SDGsという視点がなかったとしても柏崎市はSDGsのゴール、ターゲット、インディケーターあらゆる領域において総合計画をもとに歴代市長が積み重ねてきた。SDGsの観点を国から大切にしなさいという話がきているから総合計画の中にSDGsの観点を指標の一つとして入れ込んだ。考え方そのものはすでに柏崎市としては総合計画、教育大綱の中に含まれている。施策として実践されている。

これは、果たして本気でSDGsを推進しようとしている自治体がしている答弁なのかが疑問です。特に第5次総合計画後期基本計画にSDGsの視点を取り入れた理由は、上にも記したように、前期基本計画で取り組んできた施策や事業では人口減少抑制に効果的ではなかったためSDGsの視点をすべての施策や事業にあてて見直していく、というものかと考えていたのです。それがそうではなく、「国の方向であるから」「SDGsの観点を国から大切にしなさいという話がきているから」、総合計画策定の視点として記した、ということのようです。本当にSDGsを推進しようとしているのか、「SDGs日本モデル宣言賛同自治体」なのか、いかがでしょう。SDGsウォッシュと見なされなければいいと思います。しかも、市長の答弁の中で、目標2の「飢餓をゼロ」は柏崎市だけではなく日本には全く関係ない、と断言しています。本当にそうなのでしょうか。日本はゼロなのでしょうか。また、この目標2のローカル指標には「農業就業人口当たりの農業産出額」や「農業就業人口当たりの耕地面積」というものがあります。このローカル指標まで掘り下げているのなら、目標2は全く関係ない、と言えるのでしょうか。

これから議会としても第5次総合計画後期基本計画の策定のために提言をまとめていくことになります。その中には、分野横断的視点として掲げてあるSDGsの推進の在り方についても議論されると思います。また、次回の総合計画審議会へも市の当局がSDGsについての説明を行うことになっているようです。

こういう機会でなければ市のあるいは市長の公式な考えは聞くことができませんので、よかったと思います。私の考えが正しいとか、そうするべきだとかいうつもりは全くありません。市の当局の方々が専門的に考え、将来を見据え、俯瞰した立場に立って判断したものでしょうから。しかし、それだけで十分というものでもないとも思っています。そのために議員がいて、別の視点や考え方を伝えているのですから。

投稿者: shigeno