本会議

9月7日から始まった9月定例会議も今日の決算についての採決で一応の終了になりました。当然のことですが毎年、9月の決算、2月の予算についての審議には時間をかけます。

今日の2019年度決算の採決では、賛成多数により「認定する」を可決しました。私は以下のような賛成討論をしました。少し長いですが、全文を載せます。

会派柏盛クラブを代表して、承第4号令和元(2019)年度一般会計決算の認定を、認める立場で討論させていただきます。2019年度は新たな元号「令和」の始まりの年でありましたが、今振り返るとラグビーワールドカップ開催など元気が出たことや盛り上がったことだけではなく、消費税の増税や保育無償化など大きな改革があったり、現在も続いている新型コロナウイルス感染症の始まりの年でもありました。決算書や審査意見書などで、いくつかの指標を通して柏崎市の財政の実態を確認しました。決算額は歳入479億8182万9615円、歳出458億2278万9069円でした。そして、指標の数値4つについてです。「財政力指数3か年平均」0.696、「経常収支比率」93.7%、「経常一般財源比率」96.7%、「実質公債費比率3か年平均」11.6%から、財源に余裕があるとはいえず、やや財政構造の硬直化が心配され、財政に余裕がなく弾力性がない現状と言えますが、前年度より改善している数値もあり、緊急性を要するほど悪い状況ではないと思います。また、2019年度末の財政調整基金の残高が77億円余りあることから、災害等万が一の事態に対しても財政的には慌てることなく、適切に対処できると思われます。このようにゆとりがある財政状況とはいえませんが、現時点で財政危機を感じさせるような状況ではなく、概ね健全だと判断できることが確認できました。しかし、財政の健全運営を目指すことは当然のことです。これからも無駄を省き、市民目線に立った安全安心なまちづくりに取り組み、市民の福祉向上を目指した、将来にわたり安定的で効果的、そして質の高い行財政運営を望みます。まず、2018年度決算審議の討論でも話したことです。事務事業等の評価についてです。事業の最終的な目的は「市民の福祉向上」です。そうなると、その観点は「市民の満足度」「市民生活の改善・利便性の向上」です。与えられた予算で何をどれだけ行ったのかという「アウトプット」評価ではなく、それぞれの事業の目的を確認するとともに評価の観点を明確にし、データを適切に集めて、目標に対してどのような成果が出たのかという「アウトカム」評価、市民に分かりやすい評価を行うことが必要だと考えます。奇しくも10月5日付の新聞に、「政府は政策の立案や評価に国民の生活満足度を反映させる取り組みを本格化させる。自治体にも活用を促す」との記事報道がありました。つまり「アウトカム」評価の推進と受け取られます。評価の在り方についての改善を求めるところです。次に決算書において3点について申し述べます。1点目は、人材確保についてです。様々な職種における人の確保は柏崎市として重点事項とされています。黙って求人広告を出していれば人が集まるという時代でも地域でもありません。人材確保として銘打っている事業は「介護従事者人材確保・育成事業」「医師確保対策事業」「医療従事者確保事業」があり、「青年就農支援事業」「有害鳥獣捕獲の担い手緊急確保事業補助金」「林業新規雇用促進支援事業補助金」などを含めると6500万円以上の決算額になりました。これ以外にも資格が必要だったり、専門的な業務を行う「相談員や支援員」、教育現場で直接児童生徒と関わる「介助員や指導補助員」、あるいは「消防団員」など、多くの職種に関わっています。これらの人材確保事業はそれなりに成果を上げているものでした。また、今回の決算審査では、現在の市内基幹病院の看護師不足数が25人であるとか、特別養護老人ホームへの待機者が実人数で135人であるという具体的数字が明らかになりました。柏崎は決して人材が枯渇している地域ではありません。しかし、柏崎市民だけでなく市外からも、その人たち自身の自己実現のために、柏崎を選び、働いてもらえるような、魅力ある施策がより必要ですし、魅力ある事業所になれるような市からの働きかけも必要だと思います。さらに期待します。2点目は、鳥獣被害対策事業56万円余りです。現在の特にイノシシ被害は数年前には考えられなかった状況があります。決算審査では、現在市内には推定1000~1200頭のイノシシが生息しているという説明がありました。中山間部だけではなく、先日は市街地の商業施設の駐車場にもイノシシが出現しました。生き物が対象なので一つの自治体だけでは解決できるものではありませんが、自治体としての独自対策も必要不可欠だと考えます。対症療法になりますが、電気柵の効果は大きなものです。市の独自事業としての電気柵等の設置拡大や捕獲数増加のための取り組み強化および、周辺自治体との連携が急がれるところです。3点目は、地域活性化対策事業1241万8000円です。これは地域おこし協力隊の関係経費です。この地域おこし協力隊の活動により、その地域の活性化が図られています。しかし、これまでの成果に満足せず、定住あるいは新たに、関係人口や交流人口の広がりにつながるような仕組みの創出を期待します。これまで地域おこし協力隊に参加した方々はイノベーター理論でいうところの「イノベーター」部分の方々だと思います。それを「アーリーアダプター」や「アーリーマジョリティ」まで広げていく仕組みづくりが必要だと考えるのです。それを主導していくのはここではやはり市だけだと思います。この事業の善し悪しだけではなく、人の思考や行動様式を理論的にとらえ、定住にまで結び付けられる施策を組み立てていくことを期待します。また、すべての市の制度、事業、補助金給付などにおいて、その制度等を知らないがために市民がサービスを受けられなかったということがおきないようにするとともに、手続き、申請などにおいては新しい生活様式に対応したサービスの強化工夫を要望します。最後になりましたが、持続可能と安全安心をキーワードにした政策をもとに、市民が主役のまちづくりおよび、柏崎市の素晴らしさを市民そして全国に発信していく取り組みを、行政組織が一丸となってさらに力を入れてくことに期待し、討論といたします。

このサイトにも記しましたが、看護師不足が25人、特別養護老人ホームの待機者が実人数で135人、柏崎市内に生息するイノシシが推定1000~1200頭など、具体的数字が出てきました。こういう数字を見ると実際にどんな動きをしていけばそれが少しは解決できるのか、というなんとなくの方向性が見えてきます。看護師がだいぶ不足しているとか特別養護老人ホームに入りたい人が相当いるという表現では、ふーんそうなんだ、という受け止めをする人も少なくないと思われます。こういう数字を出してほしいと私も強く要望していましたので、それがかなったことは喜ばしいと思います。と、いうことで早速活動を始めようと考えています。

午後からはデジタル予算書の説明を受けました。令和3年度の予算から、それまでの予算書に加えて、パソコンを使って確認できる「デジタル予算書」の取り組みを始めます。このデジタル予算書の取り組みは全国で初のことです。3年間分の予算や決算を見ることができたり、検索によって必要なところだけを抜き脱すことができたり、総合計画との関連なども分かりやすく検索できます。ただ、今のところは当初予算だけのもので、補正予算に対しての当初予算への数字の反映が十分ではないとのことです。また、歳出が主な記載内容で、歳入に関しての記載も不十分なようです。決算もこの予算書を使うとのことなので、歳入に関してどの程度まで詳細に記されるのかがまだ不透明なところです。使っていきながらの修正になるかもしれません。このデジタル予算書になると、当局や議員関係だけでなく、市民の皆様も自由に閲覧することができますので、より透明性は増すものだと思います。

投稿者: shigeno