学校の9月入学はあり?

しばらく前からいくつかの自治体の首長が日本の学校も9月入学に変更していくべきではないか、という主張をして、国としてもその議論をしているようです。

今日、鷲尾代議士から秘書の方を通して、国としても始めた「秋季入学制検討ワーキングチーム」の資料をいただきました。かなりの量がありました。大変興味深いテーマでもあり、私個人としても学校現場の経験からそれなりに考えていましたので、勉強になりました。

現段階では、全国市長会に調査し、815市区長から576の回答を得たものをまとめました。9月入学制の「賛成は18.1%」「反対は17.9%」「慎重と回答したものが62.5%」でした。

今回の話題になった要因が、今年度の学習の遅れ、大学等の入試の時期がこれまでと同じでいいのか、ということから来たことでもあります。国の大きな制度の変更は今年のような社会的な大きな出来事がないと一気には進まないものです。だからこそ、今年度の制度変更が議論されたのだと思います。しかし、9月入学となると、学校制度だけの問題ではなくなり、社会全体として十分議論して準備をしなければならないことです。当然、今年度の制度変更、今までに比べ半年遅い入試や入学となると、あまりにも拙速すぎるとして、多くの首長は「慎重」と判断したのだと思います。

この9月入学は日本としては明治時代には行われていたことです。ですから日本としての経験はあることです。それを1886年に4月入学に変更したのです。会計年度が4月からだからとの理由だそうです。

それはそうと、こういう国を挙げ出の一大事だからこそ学校の9月入学が議論できたことでもあります。こんなことにならなかったら、外国への留学問題くらいしかデメリットがないことから、こんなに大きな話題にはなりませんでした。

私の意見は、学校の9月入学は「すべき」だと考えています。当然、今年度というものではなく、これからしばらく時間をかけて制度を練り直してから、行うべきだと思うのです。4月入学は日本の伝統でもあり、他の国に合わせて変更すべきものではない、と考える人も少なくないと思います。会計年度と合わせて4月から3月にすべきという考えが定着しているため難しいと考えるのだと思いますが、イギリスでは学校の入学時期と会計年度は異なっていますから、慣れだと言えば慣れかもしれません。日本の学校教育が世界レベルにだいぶ遅れを生じている現状は、この4月入学に起因することが少なからずあると思います。留学に関することもあります。

私は別に9月入学にこだわりがあるものではありませんが、この9月入学を国全体として検討する機会ができたことがよかったと思うのです。今までは当たり前だったことを疑ったり、世界を俯瞰したときの日本の制度や習慣を考えることは大切だと思います。国に限らず、すべてを他に合わせていくということは正しいことではないと思います。「伝統は変わるものである」ということから、それを見直していくことがその集団が成長するためには必要なことではないかと考えます。

こういう議論は国として行っていけばいい、というものではなく、近くの人同士でも意見を交わしていってもいいと思います。ただし、こういう問題を基礎自治体の議会の一般質問で行うことはいかがなものだとも思います。どうでしょう?

投稿者: shigeno