6日から今日まで文教厚生常任委員会としての行政視察に行きました。今回は6日に「世田谷市」、7日に「豊島区」と「江東区」、8日に「埼玉県東松山市」を訪問しました。この視察は常任委員会で決めているのテーマを解決すべく、先進的に取り組んでいる自治体を視察するものです。昨年度から文教厚生常任委員会て設定しているテーマは、「子どもを取り巻く環境の充実~地域で関わる子育て・インクルーシブ教育~」ですので、それぞれについて勉強してきました。以下には所感を記します。
<世田谷区> 子ども計画(第2期)後期計画・子ども・子育てにかかる環境整備を中心に
委員会のテーマである地域で関わる子育てとインクルーシブ教育について説明を受け、質疑をした。世田谷区は人口、面積を含め、柏崎と似ているところはほとんどない環境のように感じ、施策事業を参考にすることが難しそうだった。しかしその中において、インクルーシブ教育については、就学前は障害の有無に特化した取組になる状況は当然だとしても、就学後は障害児だけでなく、あらゆるマイノリティを把握し、それに対応していくべく教育活動を展開していこうとしている。柏崎でもインクルーシブ教育システムではなく、すべてのマイノリティを考えた学校経営が大切だと教育長答弁にあった通りに、インクルーシブ教育を進めていくように今一度働きかけていきたい。
<豊島区> インクルーシブ遊具について
豊島区は区域が狭く公園が160以上あるものの、面積1000㎡以下がその中の111か所とのことで、このうち17か所にインクルーシブ遊具を設置している。今後は公園改修時に随時この遊具に交換して拡充を図っていくとしている。また、今後は数ある公園の利用についてはターゲットを絞ってその利用者に合わせた整備を進める方針とのことだった。ただ、公園整備担当と教育や子育て担当とはインクルーシブについての考え方を共有している感じはなく、庁内としても一致させた施策としての取組までは至っていないようだった。柏崎としては施策として複数の担当がある場合の意思疎通はそれなりに図られていると思われるが、これからもその視点で施策の確認をしていきたい。
<江東区> 子ども家庭支援センターみずべの取組
江東区は子ども特に就学前や保育園に通わせていない家庭に対する支援が充実していると感じた。また江東区は数年前までは待機児童が都内でも指折りの多さだったとのことだが、現在は0になっているとのことだった。こどもプラザを含む「みずべ」や児童館、ファミリーサポート事業など、数多く設置しているが、そのサポート、ボランティア、支援員が十分ではないとのことだった。この人材不足にという課題は柏崎と同じである。こども食堂は区内に24あり、都と区が支援、補助を出しているとのことだった。柏崎でも行政としての直接的支援も必要に思われた。また、子ども未来部と他の部署との連携は十分とは言えないようで、縦割り行政の課題を現場でも感じているようだった。
<東松山市> インクルーシブ教育について・就学相談調整会議の取組と課題
市教委の指導主事が対応した。就学支援委員会を廃止し就学相談調整会議を設置し、特別支援に対する取組について詳しくい説明を受けた。インクルーシブという言葉が独り歩きして、当該児童生徒の保護者が過度な要求をしたり、高校進学のことなどでも対応に苦慮している様子だった。ただ、学校現場ではインクルーシブ教育システムによる対応を主で、外国人や性的マイノリティへの対応といった広義のインクルーシブ教育はこれからとのことであった。小中学校に配置されている介助員は市内全体で50人おり、任務は特別支援に特化しているとのことであった。多くのことが個別対応ということは仕方がないことだが、教員、保護者、市民が共有してインクルーシブに取り組むことでまちづくりを進めていくことが大切だと学んだ。また、ギフテッドの子に対する対応を全教員が研修として学んでいることは、柏崎でも行ってほしいことの一つであった。
この視察を含めこの1年半で調査研究してきたものを政策提言として今年の12月の定例会議までにまとめることになります。正副委員長がどのように考えているのかはわかりませんが、柏崎市にとって必要なこと、市民が求めていることを提言していけるといいと思っています。