むつ市・六ヶ所村視察

会派で視察に来ました。公明党の会派との合同視察です。目的地はむつ市のリサイクル燃料貯蔵と六ケ所村の原子燃料サイクル施設です。昨日15日に柏崎を出発し、今日2か所の視察を終え、明日帰ります。

昨日の夜のことです。私たちとむつ市の全議長大瀧議員、東通村前議長丹内議員、東京電力常務執行役宗さん、日本原燃フェロー横村さんとで懇親を深めました。真貝議員がせっかく青森まで行くのであればということで手配をしてくださいました。このような全国的なネットワークは大切にしなければならないものだと思います。現地の住民の方々の思いや原子力発電所などに関わることへの見識を聞かせていただけました。

今日の1つ目の視察です。むつ市のリサイクル燃料貯蔵に行きました。調査項目としては、「使用済燃料の中間貯蔵としての施設の現状を視察し、これからの原子力発電及び柏崎刈羽原子力発電所の稼働について調査研究を深める」としました。以下、概要についてです。

  • 東京電力HD(80%)と日本原子力発電株式会社(20%)の共同出資により、2社の原子力発電所から発生する使用済核燃料の貯蔵・管理を目的とした施設。日本原燃株式会社六ケ所再処理工場で再処理するまで、貯蔵しておく中間貯蔵施設という位置付け。
  • 2010年 8月31日 貯蔵建屋工事開始、2023年 8月28日 保安規定変更許可(事業開始段階)。今後立地自治体等との安全協定の締結を結ぶことになる
  • 安全協定が結ばれないと柏崎刈羽原子力発電所からの試験体の使用済燃料は搬出できない。
  • 最終的な貯蔵量はウラン重量として5000トン(現在ある1棟目は3000トン分、残りは今後建設される2棟目に)。1棟目にはキャスク288基貯蔵ができる。柏崎刈羽原子力発電所内にある使用済燃料をすべて搬入することが可能な量ではある。
  • 貯蔵期間はキャスクが最初に搬入されてから最長50年で、その期間が終了するまでにはすべてのキャスクが搬出される。
  • リサイクル燃料備蓄センターは重大原子力災害が想定される施設ではないとされており、避難等が必要となる原子力災害対策重点区域の設定はない。
  • (質疑1)安全協定(市・県・御社)について → 柏崎刈羽原子力発電所から試験用キャスクを搬出する前には安全協定を結ぶことになる。搬出計画を東電は作ることになるが、計画を作ってから協定を結ぶということではなく、搬出するまでの間に締結すればいい。安全協定を結ぶ手続きを進めていく話を市長、知事、社長では進めている。安全協定の締結はいつ頃になるのかは明確には言えない。今は事務局ベースで意見交換をしている。
  • (質疑2)住民への広報活動の状況は → 広報活動としては毎年モニターを地域の方からやってもらっている。イベント時にアンケートをとっているし、通常活動としても広聴活動を行っている。住民の方々は施設に対して心配であるという思いがないとは言えないが、運用に対して反対や慎重の声は少ない。原子力船むつの使用済燃料を青森研究開発センターで貯蔵していることもあり、住民にとって中間貯蔵は初めてのことではなく、放射線に対しても知識はもっている。

<所感>柏崎刈羽原子力発電所の適切な稼働を進める中においては、常に使用済燃料の管理、処理の課題を含めた検討がなされており、その一つの拠点になるのがこのリサイクル燃料貯蔵センターです。ここは原燃の再処理施設で処理しきれない分のリサイクル燃料を貯蔵する施設ですから、六ケ所村にある原子燃料サイクル施設と一体として考えるものかと思います。 今は原子燃料サイクル施設もこの貯蔵センターも安全協定を締結する直前の段階にいます。立地自治体の理解は進められており、来年の上期には稼働のめどがつきそうです。日本のエネルギー政策を支える一つの柱となっているリサイクル燃料貯蔵と柏崎刈羽原子力発電所の関係性を学ぶことで、柏崎市として担っていくものを市民と共有し、働きかけていけるようにしたいと思いました。

今日2つ目の視察は、六ケ所村の原子燃料サイクル施設に行きました。調査目的を「原子燃料サイクル施設を視察し、これからの原子力発電及び柏崎刈羽原子力発電所の在り方について調査研究を深める」としました。以下、概要についてです。

  • 原子力リサイクル施設(ウラン濃縮工場、MOX燃料工場、低レベル放射性廃棄物埋設センター、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、再処理工場)がこれだけ集まっているところは世界でここだけである。
  • ウラン濃縮工場は現在操業中(運転再開が2023年8月25日)。
  • 低レベル放射性廃棄物埋設センターは現在35万本の受入済(最終規模は300万本相当)。全国の原子力発電所からドラム缶で年間1万2~3000本搬入してきており、最終処分場になっている。
  • 高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターは、現在フランス・イギリスでの再処理分1830本のガラス固化体を受入済(貯蔵容量は2880本)。最終処分地に運ぶまでの30~50年間貯蔵する。
  • 再処理工場は2024年度上期のできるだけ早期に竣工の予定。最大処理能力は年間800トン。使用済燃料受入貯蔵施設は現在99%受入済みの状況である。
  • MOX燃料工場は現在建設中で、2024年度上期に竣工予定。最大加工能力は年間130トン。
  • 技術力の維持・向上の取組として、再処理工場やMOX燃料工場における運転員の運転技能を確実に身に付けておくために、現在稼働しているフランスの工場に派遣して操作させている。
  • 国際原子力機関(IAEA)による査察を受け入れ、IAEAと二人三脚で世界に認められるために取り組んでいる。
  • 使用済燃料受入貯蔵施設の受け入れ容量は3000トンのところ2023年12月現在2968トンの在庫量がある。99%の貯蔵量のため、しばらくは受入予定はない。早く稼働し、年間800トンを処理することで発電所から受け入れられる。
  • 竜巻発生時の対策として、飛来物から重要な施設(冷却塔、主排気筒屋外ダクト、屋外配管等)を防護する防護ネットや防護板を設置した。
  • (質疑1)再処理工場の稼働する時期は → 規制庁が認めてくれたときが竣工となるがその後安全協定を県と村と結んでいくことになる。海外から返還されるガラス固化体は安全協定が結ばれており、30~50年ここで一時貯蔵する。六ケ所再処理工場で発生するガラス固化体はどうするか、再処理工場で出た低レベル廃棄物の処分はどうするかを含めた安全協定を締結したのちに操業になる。使用済燃料の受入は、操業となってもまずここにあるものを処理してから新たに受け入れることになるので、本格操業は安全協定を締結後の1年半くらいになりそう。2025年以降になるのではないか。MOX燃料工場も同様の手続きになる。
  • (質疑2)技術的なものはすべてクリアしているとみていいか  → ガラス固化体にすることを含めクリアしている

<所感>日本のエネルギー政策のけん引は柏崎と青森がその両輪になる。今回の視察を通してこのことを強く感じることになりました。特にこの原子燃料サイクル施設の稼働なくては日本のエネルギー政策も成り立ちません。今は先のリサイクル燃料貯蔵センターと同様に地元との安全協定の締結に向けて進んでいる段階です。これらの施設の稼働が来年以降というスケジュールですので、柏崎刈羽原子力発電所も地域住民の理解を得て同様に進めていけることが望まれます。 東京電力HDは原子力しかない、ということではなく再生可能エネルギーの開発など広い視野での取り組みが行われていることも理解する中で、これからしばらくの間日本の進むべき方向を判断し、市民の思いを受け止めるとともに働きかけをしていき、新たな思いを共有できるように努めていきたいと思います。

今日1日で2か所、それも柏崎刈羽原子力発電所の行く末を左右する施設の視察をしました。頭の中を整理して、次の定例会議前にも規制庁や東京電力から説明があることに関して、対応できるようにしておきたいと思います。

また、今日の夕食は日本原燃東京支社長の相澤さんと一緒でした。実は相澤さんとは高校の時の同級生という関係もあり、今回の視察に骨を折っていただきました。そんなこともあり、懐かしい話や今の日本のエネルギーに関することなど、率直な意見交換ができました。ありがとうございました。

投稿者: shigeno