中越地区市議会議員研修会

毎年行っているものですが、ここ2年はコロナ禍の影響で中止でした。久しぶりの開催になりました中越地区の市議会議員研修会です。今年は南魚沼市議会が主幹でした。コロナ禍でも150人ほどが集まれる会場が市内にないとのことで、湯沢のナスパニューオオタニを会場に行いました。

研修は、国境なき医師団の医師として活動している門馬秀介様を講師として、「行かない理由はない 戦傷医療、国際派遣の実際」をテーマとした講演会でした。門馬さんのように実際にウクライナに入り医療活動を通して現地の実際を体験してこられた話を聴けるということは大変貴重なものです。戦争を行っている地域は、兵士ではなく、民間人あるいは医師として現地入りしたとしても、当然のことながら命の危険があります。通常の病院にいる時とは比べものにならないくらいの人の死に直面していると思います。その遺体が放置されている現場もあったことでしょう。自分の命の保障のことだけでなく、他人の命の扱われ方など、日本で暮らしているときの優先順位とは異なった生活環境下では自分の精神状態が正常に保てないこともあったと想像します。

また、日本でのマスコミ報道があくまで事実を伝えているのかというと、それもそうではないのかもしれません。ロシアがなぜウクライナに侵攻したのか、という理由についてはあまり語られることはありません。ただ、国際的に分けられている国境を越えて、武力で他国に侵入し、領土の拡大を果たそうとしているということが報道されているのです。日本の近く、台湾と中国の関係に似ていませんか? 台湾は独立して国家の体をなした外交なども行っているように見えます。しかし、中国としては台湾は中国の一部という認識です。歴史的に見てそうだという判断なのです。日本にいるとなかなか他地域の歴史的領土問題を学ぶ機会もなく、マスコミで報道されることが唯一正しいものだという先入観もあるように感じます。今回のロシアとウクライナの戦争を機会に、学び直すことも必要なのかもしれません。

それはそうと、今日の講演会の詳細は記しませんが、印象に残っていることは、門馬さんは国境なき医師団の素晴らしさのみを語っていたのではない、というところです。このような自分がやっていることの素晴らしさ、正しさを訴える講演より、人の心に残るものです。国境なき医師団は、「一番先に現地に入り、一番最後まで現地に残る」とのことです。一見素晴らしいことですが、門馬さん曰く「好き勝手やっている」人が多い、とのことでした。一番大切なのは「引き際」です。自分たちで行うのではなく、現地の人が行えるような手助けをする、ことがその地域の持続可能な生活につながります。この引き際が難しいのだそうです。

ちょっと話がそれてしまいましたが、門馬様、ありがとうございました。

投稿者: shigeno