代表質問

代表質問が行われました。2022年度施政方針と予算案に対しての質問でした。施政方針での市長は、柏崎に元気を取り戻してもらいたいという気持ちからか、経済をいかに盛り上げていくかを命題にしているように、色とりどりな言葉を使って、様々な事業を展開していくという方向であるように受け取りました。逆の言い方をすると、社会生活を営んでいる中で、苦しんでいる方々への立場に立てていないような感じがしたのです。市長にはそんな気持ちはないのかもしれませんが。

そういうことで、今回の私たち会派の代表質問の項目に「子どもの貧困」についてを入れたのです。私たちは、第五次総合計画後期基本計画の中の重点戦略の一つとしている「子どもを取り巻く環境の充実」への市独自のアプローチが十分ではないと思ったからです。子どもを取り巻く環境といっても、この貧困への視点を市が、市長がどう受け止めて、その解決のために市として取り組もうとしているかの覚悟を聞きたかったのです。だって、施政方針には弱者の視点に立つような、こういう視点がないからです。つまり、戦略として歌っているからには、「子どもの貧困」についても焦点をあるべきだ、ということを訴えたかったのです。

質問の前に、貧困の定義や国から示されている支援策の実施というものではなく、と振っておいてから市長の貧困に対する「受け止め」を聞かせてもらおうとしたのです。しかし、残念ながらこれへの明確な答弁はありませんでした。ということは、言葉では子どもを取り巻く環境の充実とは言うものの、貧困(私は貧困は貧乏と孤立が合わさって苦しんでいる、と捉えています)で苦しんでいる方々へは、市独自での実態把握も行わず、ただ国からの支援策を下ろしている受動的な取り組みを行うだけ、ということなのでしょう。これが市長の考えかどうかはわかりません。なぜなら、質問の聞き取りに来た職員に、「市の受け止め」を聞きたいと伝えたら、そういうものは今までなかった、旨の話をしているからです。実際に事業に取り組む職員も国の窓口としての業務をこなせばいい、と思っているのでは、と感じてしまいました。だったら、市長自らが、私はこう考える、と自分のとらえを話してくれてもいいのにと思うのですけれど。市長のしっかりとした受け止めがあれば、職員も能動的な支援策を考え、困っている方々に今以上に寄り添った対応ができると思います。今回はそれがなく、残念だった、という話です。

SDGsにしてもきれいな言葉は使っていますが、実際の取り組みは?です。お題目だけ掲げ、国が言っていることをそのまま下ろし、市としてのとらえや受け止めを明確にしないようではただの国の出張所的窓口なだけだと思います。国が捉えているものと柏崎市の実態は違うところが少なくないと思っています。国の縮小版ではないことがあるのですから、国の施策を独自にとらえ直すことは必要ではないでしょうか。

代表質問での項目について全てを記すことはしませんが、一つだけ市長の発言で興味深いものがありました。それは持田議員に対しての発言で、「党本部で言われていることが柏崎市では通用しないこともあります」というものでした。持田議員は共産党ですから、共産党として主張していることも、柏崎市には通用しないこともあるのだから、党が言っているからと、それを主張し続けることはいかがなものか、という気持ちから出た発言だと思われます。具体的には、共産党としては原発の即時廃炉を主張しているのですが、柏崎市でそれをそのまま主張することは、柏崎市のことをどれだけ考えているのか疑問だ、というものです。政党員としては党本部で主張していることを基礎自治体でも主張することは問題がなく、正しいことだと思っている人が多いと思います。これは、共産党だけへ向けられたものではなく、自民党へも公明党へも社民党へも向けられた発言だと受け取れます。ある事柄に対して、党本部ではこう主張しているが、柏崎にとってはそれはあてはまらない、党の主張は柏崎の実態にそぐわないと判断できることもあるのではないかと思うのです。そう判断したときには、適切な対応をするべきだとも思います。私は政党に所属していませんので、その党の実情を知らずに話しています。しかし、ある政党に所属している方が、「私としては○○○なんだけど、党が言っていることだから・・・」と、ご自身が普段から議員活動として取り組んでいることもであっても、請願などが出てきたときには自分の活動とは矛盾するような意見を言ったり、賛否を投じたりすることがありました。党本部が言うことは基礎自治体の議員であっても絶対なことなのでしょうか。もっと個人として覚悟をもってその部分は自分としては受け入れられないということを言ってもいいのではないかとも思います。市長の発言からこんなことまで思ってしまいました。

来週8日から10日までは一般質問です。

投稿者: shigeno