小学校運動会 アンコンシャス バイアス

昨日までは雨ふりで今日の実施を心配しましたが、午前中は何とか曇りのまま過ぎました。柏崎小学校の運動会は陸上競技場で行われました。全校児童が300人くらいになりましたが、間隔をとって競技場のフィールドに並ぶと、それなりの人数に感じました。小学校の運動会は毎年この時期に行われています。高学年は別にいつの時期でもいいのでしょうが、1年生にとっては小学校に入学してから1か月半程度しか経っていません。入学式の様子はまだ幼稚園や保育園の頃とあまり変わらないようでしたが、今日の運動会では小学生としてたくましく成長していたと感じました。これも先生方のご指導のたまものなのでしょうね。ありがとうございます。

開会式の後の応援合戦は今年も応援団員だけの声が響く中、チーム一人一人は動きで頑張っていました。競技は1~4年生は個人で50~80m走、5・6年生はクラス全員リレーでした。しばらく前は徒競走をしても最後のゴールのときはみんなで並んでゴールするということがいい、と言われたこともありましたが、私は全く反対の意見でした。それこそ一人一人の個性を認め合わないことにつながったり、個性を摘むことにもなりかねないと考えるからです。走ることが速い人、漢字が書ける人、計算が早い人、声が大きい人、字がうまい人、歌がうまい人などがいるということをみんなが知って、それぞれを認め合えるということが大切だと思うのです。ですからそういう事実をはっきりと分からせることも教育としては必要だと考えています。

それにしても全員が一生懸命に取り組んでいる姿は見ていて清々しいものがありますし、一人一人の心の美しさも感じました。コロナ禍により、子どもたちの活動の様子を見ることが少なくなっています。でも確実に成長させてもらっています。

午後からは、かしわざき男女共同参画推進市民会議の主催で研修会が行われました。講師は新潟産業大学の大石友子教授、テーマは「アンコンシャスバイアスについて~多様性を認め合う社会実現に向け、私たちに求められること~」でした。このアンコンシャスバイアスは、「無意識にもっている偏見や思い込み、自分自身が気付かないものの見方のゆがみや偏り。経験や環境等によって身に付けたもので、本人が意識しないところで行動や意思決定に影響を与える」とされています。

このアンコンシャスバイアスという言葉は今日初めて聞きました。〇〇バイアスと言われるものはいろいろあって、人間には先入観が様々なところに潜んでいるものだと思っています。その一つです。このアンコンシャスバイアス以外によく聞くものは、「正常性バイアス(自分によって都合の悪い情報を無視したり過小評価してしまう)」があります。バイアスという文言はつきませんが、「ハロー効果(ある人に好意を抱くとその人に対するすべてのものに対して好意的に考える)」「集団浅慮(集団に所属することで無意識に同調傾向・思考停止に陥る)」などもあります。また、これも初めて聞きましたが、「確証バイアス(仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め反証する情報を無視、または集めようとしない)」というものもあります。

今日の研修では、アンコンシャスバイアスにより社会生活を送るにあたり、知らないうちに望ましくない偏見を抱いてしまっているのではないか、ということを考えました。具体的に自分のアンコンシャスバイアスがどの程度あるのかをチェックするリストに回答してみると、私自身かなりの強い傾向があることに気づきました。以下にチェックリストを記します。思い当たるものにチェックしてみてください。

  • 「親が担任赴任中」というと、父親を想像する(母親を想像しない)
  • 体力的にハードな仕事を女性に頼むのは可哀そうだと思う。
  • お茶出し、受付対応、事務職、保育士というと女性を思い浮かべる。
  • DVと聞くと男性が暴力をはたらいていると想像する(女性を想像しない)
  • LGBTの人は一部の職業に偏っていて普通の職場にはいないと思う。
  • LGBTであると聞くと戸惑いを感じてしまう。
  • 子どもが病気になった時は母親が休んだ方がいいと思う。
  • 育児中の社員・職員に負荷の高い業務は無理と思ってしまう
  • 介護しながら働くのは難しいと思う
  • 病気治療しながら働いている人を見ると、仕事をやめて治療に専念したほうがいいと思う
  • 障がいのある人は、簡単な仕事しかできない、あるいは働くのが難しいだろうと思う
  • 非正規雇用で働く人は、自分で望んでその働き方を選択していると思う
  • パートタイマーは、「主婦が家計補助のために働いている」というイメージがある
  • 外国人労働者は日本の企業文化にあうのか、つい心配になる
  • 外国人労働者を見ると、出稼ぎなど、一時的な滞在者だと思う
  • 定時で帰る人は、やる気がないと思う
  • 上司より先に部下が帰るのは失礼だと思う
  • 「普通は○○だ」「それって常識だ」と思うことがある
  • 年配(高齢者)の人は頭が固く、多様な働き方への融通が利かないと思ってしまう
  • 「多様性」と聞くと、すべての違いを何でも受け入れなければならないことだと思う

いかがでしたか?あてはまる項目が多いほどアンコンシャスバイアスが強いことだということです。20項目中の平均は5個くらいとのことでした。

アンコンシャスバイアス解消による効果として挙げられていることは、社会にとって、少子化対策になったり先進国としてのグローバル化になること。企業にとって、従業員の確保や定着につながったりモラルの向上やストレスの軽減になること。個人にとって、人権の尊重や能力の発揮と成長につながったり生活の質の向上につながります。

アンコンシャスバイアス解消のためにできることは、個人として、自分自身のアンコンシャスバイアスに気づくことや言葉遣いや行動に注意したり、他者の思い込みに対しても認識し寄り添ったりすること。組織として、研修やシステムの見直しや採用や評価時に属性で評価しないこと、評価基準の公平性と情報開示を進めることなどです。

正直私のこれまでの生き方や信念、それがアイデンティティになって凝り固まっている偏見も少なからずあります。しかし、それを表立って表出させる必要はないわけです。今の時代に適切な言動をしていくことで、多くの人が不幸を感じたり生きづらさを感じることがない、幸せに生活できる社会が形成できることを望んでいます。

講師の大石先生ありがとうございました。

投稿者: shigeno