児童虐待防止講演会

今日は標記の講演会が開かれました。テーマは、「親子が笑顔で向き合う子育て~孤立と虐待のない街づくり~」でした。講師はジャーナリストの石川結貴様でした。奇しくも11月は国としても「児童虐待防止推進月間」として様々な取り組みが行われます。以下に印象に残っていることを記します。

  • 今では小学生の「名札廃止」や「声掛けへの返答禁止」が学校として指導されている地域がある。挨拶しても返さない小学生はこの指導を忠実に守っているのかもしれない。
  • 子どもにスマホを預けただけにしていると、マッチングアプリなどのつながりにより犯罪に巻き込まれることがある。「斎藤さんと話す」というアプリは一見安心そうだが、マッチングアプリであり、誰につながるかわからないので、専門家と相談できるものではない。
  • 休日に友達の家に入り浸る子どもは単にしつけがされていないだけではなく、家にいられない事情がある場合もある。ネグレクトとか。
  • 子どもの虐待は、学力の未定着→就労ができない→貧困→反社会集団との関りなど→次世代への連鎖、と続いてしまう可能性がある。
  • 3つのCでつくる家族関係。①Communicatin(相互理解、交流)、相手の話や考えを聞く、Iメッセージで伝える。②Cognition(認知、考え方)、一つはすべてではない、自分や家族を他人の目で見る。③Conduct(行動)、新しい方法、チャレンジ、一時離れる、心の距離を置く。
  • 親子が笑顔で向き合うために。「子どもの失敗を認める」「子どもに役割と責任を与える」「子どもに大人の人生を語る」。子どもの自己肯定感をいかに育むか。
  • つながるための3つの力。「想像力」相手の不安、問題を想像する。「行動力」一歩踏み込む勇気。「突破力」常識や前例にとらわれない柔軟な発想。
  • 地域で子どもを支えるために。誰かに必要とされている実感を子どもにもたせられるか。
  • 困っている、と言う人は、お金がなかったり頼る人がいなかったり仕事がなかったり助けてくれる人がいない場合がある。そういうモノがある人には困っている人の生活が想像できない、強者の理論に知らずのうちに立ってしまっている。
  • 状況が危機的になるほどかえってSOSを出せなくなる。自分の問題が整理できる思考停止に陥ったり、「こんなになるまでなぜ放っておいたのか」と責められることへの抵抗感を持つ。今さら助けを求めても無駄、誰も信じられないといった不信感も根強い。
  • 福祉や医療、子育てなどの支援があっても容易に結びつかない親がいる。当事者からの「申請」に基づく支援体制では、行政システムのはざまにこぼれ落ちてしまう。

虐待されている子どもはもちろん、その親にいかに支援を届けられるか、ということを講師自身の経験を含めた話は、実に興味深く、今の柏崎市にも必要な視点であると思いました。今日の参加者には女性が多くいましたし、市役所の方もたくさんいました。でも、もっと市民の方々に聞いてほしい話でありました。自分の隣でもこのような虐待が発生しているかもしれないのです。風通しのいい町内だったり、自然に声を掛けられる人間関係の構築だったり、私たちにももっとやれることがあります。

講師の石川様、ありがとうございました。

投稿者: shigeno