文教厚生常任委員会での行政視察

ここ4週間連続で会派の視察や委員会視察が続きました。その最後の文教厚生常任委員会としての行政視察でした。先週の議運・予算常任委員会の視察と同様に関東方面が主になりました。埼玉県の入間市と富士見市、長野県の須坂市の3自治体です。

私たちの委員会では大きなテーマとして「子どもを取り巻く環境の充実」を掲げ、その中でも「子どもの貧困」と「いじめ・不登校問題」に焦点化した調査研究を行っています。このテーマに関しての視察を行いました。入間市ではヤングケアラー支援を、富士見市では子どもの貧困を、須坂市ではいじめ不登校問題をテーマにした視察でした。以下は私の所感です。

入間市

令和2年10月に就任した市長の公約としてケアラー支援に本格的に取り組むことになったが、すでに県でケアラー支援条例をつくり取り組んでいたため、ヤングケアラーに特化した条例を制定して取り組むことにしたとのことである。首長の強いリーダーシップにより支援が必要な方々への支援策および市民へのヤングケアラーということへの周知の実現が早まった感がある。条例制定に向けて実態調査をWeb方式、無記名で行った結果、国の調査結果である5%程度の出現率と同等の数値になった。柏崎市でも調査をしたが、その人数が12人というものであり、調査方法等に違いがあるとはいえ数値的には少なすぎる結果のように感じた。ヤングケアラー支援を今年6月から本格的に取り組んでいるが、まだ環境も十分に整っていないこともあり、次年度予算要求で人材各費や広報に力を入れていくとともに、学校との連携も進める必要を感じているとのことである。取り組み初期段階の環境整備の手順などはヤングケアラー支援だけでなく、様々な支援事業のスタート時の取り組みの参考になる。

富士見市

市長の強い思いが市民や関係団体の気運の高まりに広がり、貧困の実態調査から計画策定につながったとのことである。柏崎市では子どもの貧困についての調査を12月前に行うとしている。この子どもの貧困調査は大変デリケートなものであり、その項目や調査方法などは国が示しているものだけではなく、富士見市のように先行して取り組んでいるところを参考にしたい。富士見市としては、現在は子どもの貧困に関する計画の延長の段階で、令和7年度からは子ども子育て支援計画と一体化したものとしていくとのことである。これまでの取組みにより、子どもの貧困を含めた子育て支援の在り方を市民が考え、組織的にシステム化された取り組みが行えるようになっている感じがしている。単独の貧困対策計画の有無が問題ではない。子どもの貧困を市全体の課題と捉え、公が主体となって取り組むべきものとした場合、何を、どのような手順で行うべきかを先進事例として参考にしたい。

須坂市

平成9年に中学生の自死事案があり、それをきっかけに本格的にいじめ対策に力を入れているとのことである。小中学生へのいじめに関するアンケート調査を須坂市ではWeb上で、無記名とし、集計等は学校に任せることをしていない。このような子どもたちへのアンケート調査などをタブレット端末を利用して行うことは柏崎市でも取り入れられることではないかと思う。不登校に対しては学習保障に力を入れており、オンラインで行うなどの対応を、組織的に検討して取り組んでいるとのとこである。各学校任せではない取り組みは、当該児童生徒および保護者にとって安心できる環境ではないかと思う。また、市独自の予算で全小中学校に45人の教育補助員を配置しているとのことである。いじめや不登校に対して大勢の大人の目できめ細やかに対応するための施策だとは思うが、そのことについては強調することはなかった。このような自治体単独で雇用している教育補助員的なものは当たり前のこととしているのだろうと思われる。

今回の委員会での視察は8人の委員のところ参加者が4人になってしまいました。しかし、この4人は大変前向きに視察に取り組んで(当たり前ですけど)、大きな成果を得たと思います。これから、柏崎市に活かせることを委員会でまとめていき、取り組んでいるテーマの提言につなげていきたいと思います。

投稿者: shigeno