会派視察

議会ではここ2年、委員会としての行政視察を行いませんでした。あわせて、会派としても視察は行いませんでした。個人としての研修会の参加こそありましたが、市外に出ての視察は久しぶりのことでした。私たち柏盛クラブでは今回、糸魚川市と富山市に視察に行きました。実は昨年度、計画したのでしたが、コロナ禍の影響で受入れが中止になったのです。今回のコロナ感染者の急増で心配したのですが、無事に行うことができました。糸魚川市、富山市の皆様、ありがとうございました。

糸魚川市

「糸魚川テレワークオフィス スレッド3」を見せていただきました。糸魚川では女性の就業率が低く、またIT企業や従事者が少ないという傾向があり、それを課題として解決策を考えていたとのことです。女性の就業では、フルタイムということではなく、自分の時間に合わせて働ける場をつくることが必要と考え、このテレワークオフィスを立ち上げたとのことです。説明の中で、ここでは、利益を上げるよりは人材育成と地域貢献できることを目的にしており、このオフィスから企業への就労を果たす方もいるとのことです。多様な働き方が可能なこと、オフィスワークができることなど、これまでなかった場が立ち上がったことで、糸魚川のIT人材の拡大が期待できると思いました。そこには地域おこし協力隊として東京のIT企業で働いていた方が糸魚川に来てくださったことが大きく、糸魚川でそのネットワークや技能を広めており、この事業の中核になっています。市の担当の方は柏崎のカシックスに学びに期待と話しており、このIT関係に関しては柏崎の方が一歩前に行っているようです。しかし、地域で眠っている人材は多く、その活用に目を向け、システムを構築していることは柏崎でも取り入れられることです。その後、「クラブハウス美山」に移動し、見学させていただきました。ここは柏崎でいうところの「まちから」であり、「カシックスのコアワーキングスペース」の機能が備わっている感じでした。以前は宿泊も受け入れていたようですが、今は無料スペースと有料スペースに分け、昼間だけの会員による活用を行っています。市街地からやや離れ、周りには陸上競技場などのスポーツ施設があるところです。市民の認知が高まれば仕事関係の情報交換の場だけではなく、子育てに関しても活用できるところだと思います。そしてこのクラブハウスは入館もスマホのアプリを使うなど、できるだけ人を置かないようにしているとのことでした。こういう考え方もこれからは必要だと思いました。また、これらを含め、糸魚川では「ワーケーション」ができるまちを発信し、その整備を進めています。柏崎では一時じょんのび村でのワーケーションを進めましたが、コロナ禍以降話が進んでいないようです。行政だけでは簡単に進められないことだと思いますので、民間とも連携しながら、先進的に取り組んでいる自治体を参考にしながら、こちらも一歩前に進められるようにしたいと思います。

富山市

「スケッチラボ」で話を聞かせていただきました。ここは駅前の商業施設の中にあるのですが、柏崎のカシックスのコアワーキングスペースに似ているものだと思いました。糸魚川でもあったように、今は多くの自治体でこのような人同士が交流できる場を設営し、そこから始まるプロジェクトを期待しているようです。このスケッチラボでは「とやま未来共創会議」として、未来の富山を創り上げていこうとする人たち、老若男女が集いアイディアを交換し合うことを行っています。そこで取り入れているプレゼンの手法フューチャーセッションという技法は大変興味深いものでした。ここでは詳細は記しませんが、個人的なテーマとしていきたいと思いました。そういう取り組みも面白いものでしたが、今回の一つのねらいは、コンパクトシティとスマートシティに関しての富山市の考え方を学ぶことでした。スマートシティはデジタル化が必須であり、デジタルで課題を解決していくことを一つの方向としています。いろいろなデータを集め、それをオープンにし共有することで問題解決を行政だけのものにするのではなく、民間あるいは市民の力を活用していこうとしています。説明の中には学校の学区再編の話も出てきて、柏崎でも同様の課題があるので、その解決にはどのように取り組んでいるのかが参考になりました。ただ、「コンパクトシティ施策を阻害するスマートシティ施策は実行しない」としていることの本質が十分理解できないままでした。地域のあるべき姿を目指すということでしたが、周辺地域の活用、そこに居住する方々への支援など今日の短い時間では十分ではなかったように感じました。しかし、今日説明してくださった担当の職員の方の熱量はものすごく、この方が考えていて進めようとしていることなら信頼できるものだとも感じました。最終的にはその施策を考えた人がどういう人なのかというところがポイントになってくるのかもしれません。一人の人が施策を考え、計画をつくり、市民に説明すると市民も納得できることがあるのですが、今の柏崎の学校の学区再編はそうなっておらず、それが少し残念なことだと感じてしまいました。このことは関係ありませんでしたね。

今日一日での視察でした。かなりの移動距離がありましたが、刺激も多く、私個人としてもこれからの柏崎の在り方をまちづくりや働き方の面を切り口として調査研究していこうと思いました。

投稿者: shigeno