広島原爆投下75年、議員研修会など

学校の教員をしていたころ、7月下旬から始まる夏休み前にはいつも、「8月は平和を考える月」として学級・学年通信を出していました。日本にとって8月は原爆投下、終戦など戦争に関わる出来事がいくつもある月ですので、それによって生徒も平和について考えを深めることができたと思います。既に戦争を実際に体験した方々が少なくなってきており、生徒にとって「生」の言葉を聴く機会は年々減ってきています。たとえ、生の言葉を聴けないとしても、現存している様々な資料を通して日本が通ってきた道を、目をそらすことなく、正しい事柄を学んでほしいと考え、指導してきました。今日は広島に原爆が投下されて75年の日でした。75年経った今でも当時に録音、録画したフィルムが出てくるなど新たな発見もあるようです。原爆の投下があった唯一の国である日本が世界においてどのような立場をとってどのような発信をしていくべきなのかについてもしっかり考え、それに伴った行動をとっていきたいと思います。

そんな日ではありましたが、今日は議会でいくつかの会議、研修があり、ややあわただしく感じた一日でもありました。議会意見交換会(柏崎市国土強靭化地域計画案、柏崎市原子力災害広域避難計画修正案)→本会議(議員倫理条例の改正、決算特別委員会設置、新型コロナウイルス感染症関係の意見書)→決算特別委員会(正副委員長選出)→文教厚生分科会(正副分科会長選出、事務事業評価項目の選定、現地視察先の決定)→議員研修(議員定数・地方議会の今後の在り方)→広報広聴常任委員会(議会報告会の中止について)でした。この程度の会議や研修は珍しくないという職種の方もいると思いますが、議会での動きとしてはあまりあることではありません。

議員研修はリモートで行いました。講師の広瀬和彦様は東京からで我々は会議室で研修を受けました。今までにも広瀬先生の講座は私も受講したことがありました。大変明快に説明していただき、時間を感じさせない講座でした。今日の同様でした。テーマは、「議員定数・地方議会の今後の在り方」についてでした。以下に印象に残っていることを記します。

  • 市民の多くは議会活動がどういうものであるのかを十分に理解していないと思われる。だから、アンケートなどで議員定数のことを聞くと減らすべきだ、と回答する場合が多い。
  • まずは、議会活動をしっかりと市民に広報して、議会活動はどういうものかを分かってもらうことをしなければならない。
  • 議員定数と議員報酬の在り方の研究については同時に行うべきである。
  • 議会改革と議員定数は別問題。議員定数を減らすことが議会改革だというものではない。
  • 議会の機能を発揮する議員定数における視点は「議事機関としての機能」「立法機関としての機能発揮」「監視機関としての機能発揮」がある。
  • 首長も議員定数についての提案権はある。
  • 議員定数と検討する算定方式は、「常任委員会数方式」「人口比例方式」「住民自治協議会方式(または小学校区方式)」「類似都市との比較方式(人口規模・財政状況)」「面積・人口方式」がある。そのなかでも議員定数は人口比率で検討するのが一般的。
  • 適正定数を、「常任委員会方式」で検討すると、柏崎市は3常任委員会があるが、23人(議長を入れると24人)になる。「人口比例方式」で検討すると26人になる。「住民自治協議会方式」で検討すると、中学校区から1人以上選出するとして人口で分配するのですが、23人になる。「類似都市との比較方式」で検討すると21人になる。「面積・人口方式」で検討すると25人になる。と、検討する方式により様々である。
  • 委員会方式とすると、委員会での議員間討議を活発にするという観点で考えると、一般的にワークショップなどでの適切な人数は6人と言われているので、それをもとに1つの常任委員会の委員数を検討するといい。
  • 類似都市との比較で定数を決めていこうとすると、定数減の競争になりかねず、本来の議会の在り方がどうあるべきかを考えた決定とはかけ離れてしまいかねない。安易に定数減を進めようとせず、議会機能が適切に発揮できる人数を考えていくべき。

ともすると、議員定数は必ず削減しなければならない、という風潮がある中ですが、広瀬先生は安易な議員定数減をよしとしない立場ということですので、一方的に定数減をよしとする説明出なかったことに好感がもてました。どんなものにしても一方的な方向しかないものではなく、必ず両面、あるいはメリットデメリットがあるわけですから、それらを偏りなく検討することにより、何が一番柏崎市には適切なのかを判断していくことが大切だと思います。初めからある結論ありきでの議論では議論が深まることもなく、ましてや市民のためにもなりません。私としてはできるだけ多方面からのものの見方をし、その目的に対して真に市民目線に立った判断をしていきたいと思っています。もっとも、何かを決定する際は、市民全員が満足するというものでありません。ですから、決定事項、自分が判断したことについては、誰に対してもしっかりと説明できることが必要だと考えています。

投稿者: shigeno